世界情勢に翻弄されたカップル
式を終え、正式に夫婦となった彼らはニューヨーク州北部に住みはじめました。当時の世界の状況は彼らのような順風満帆な家庭生活を送る人々がある一方で、何千マイルも離れたところでは生と死が隣り合わせの戦争をしている国もありました。ジョーとビバリーが結婚をしたころ、朝鮮半島では紛争が起きており、その戦争にアメリカ軍が参戦していました。現地では長く不安定な情勢が続いていました。彼らはニュースなどでその情報を耳にしていましたが、直接的に彼らの生活に影響を及ぼすことはないと考えていました。しかしこの朝鮮戦争が幸せな彼らの結婚生活に影を落とし始めたのです。
ジョーはこの先何が起こるかをある程度予想していました。その予想は的中し、ある日ジョーの元にアメリカ軍から朝鮮戦争に従軍命令が届いたのです。ジョーとビバリーは新婚でしたが、軍への派遣はそういった諸事情は加味されません。ジョーはその命令をすぐに受諾せず、できる限り先送りにしようとしていましたが、アメリカ軍の人手不足は深刻で派兵はとうとう現実のものとなってしまいました。
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