お墓に供えられた花束から・・・来るはずのない人からの花束が明らかにした故人の秘密

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フランクの正体

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二人は本当に仲の良い夫婦でした。そんな私たちがなぜこんなことになったのか、しばらく考えたジェン。答えの出ない問いに頭は混乱しました。そしてジェンがベッドに入った頃、ドアの呼び鈴が鳴りました。こんな遅くに誰だろうと思いながら、2階の窓から外を見たところバゼモア印刷所のあの車が止まっていました。そう、フランクがやってきたのです。ジェンは心を決めて玄関へ向かいました。扉の前にはフランクが立っていました。ジェンがじっと彼を見つめたとき、ハッとしてあることに気付きました。その彼はフランクなんかではなかったのです。その男はうなずきながら笑顔を浮かべています。そのフランクそっくりの男性は彼の双子の兄、ダンだったのです。同一人物かと思うほどダンはフランクにそっくりでした。ジェンは次々と襲う衝撃に混乱しましたが、とりあえずダンを家の中に迎え入れました。

良き友人として

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ジェンにとってはフランクがなぜ双子の兄の存在を話さなかったのか不思議でなりませんでした。そのことをジェンがダンに言うと、彼はかつて弟のフランクとの間に起きたトラブルのことを話しました。彼らが幼かった時にダンが風邪をひいてしまい、その風邪は彼らの両親にも移ってしまったそうです。両親はその風邪をきっかけにして合併症をおこし、結局二人とも亡くなってしまいました。フランクはそれ以来ダンを責め続け、ダンのことを嫌悪しました。彼らは成長するにつれてどんどん関係が疎遠になったそうです。フランクが高校を卒業するとその後二人は一度も顔を合わせることもなく、フランクは最終的に事故で亡くなってしまいました。そんな過去の話を一度も聞いたことがなかったジェンはとても驚きました。さらにダンは続けます。彼はフランクにことを思っているけれど、どうしてもお墓に行く気になれず、ある日奥さんにフランクの墓地に赤と黄色の花をお供えするよう頼んだそうです。彼はフランクが亡くなった今、その関係を修復することができなかったことを後悔していると言います。ジェンはダンに歩み寄り、優しく彼を抱きしめ、その気持ちはフランクがきっと理解してくれるはずだと伝えました。その後ジェンとダンは交友を深め、今では毎月一度フランクの墓地の前でランチをとるほど仲の良い友人となりました。

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